今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
-光康sideー
本当は、ここの学校に転校すると決まる前から、
真由が、この学校に通っているって知っていたんだ。
真由とは、幼稚園からの幼馴染だ。
可愛くて、優しくて、
男子にとても、人気があった。
女子からも好かれていて。
本当…俺とは、大違い。
異性に好かれる事は、あっても、
同性に好かれる事なんて、俺はなかった。
教室に入った途端。
すぐに、真由の事を見つけた。
昔も可愛かったけれど、
何十倍も、綺麗になっていた。
あれは……
男子にモテるだろーな…
そんな事を思いながら、自己紹介を始める。
真由は、俺に気づいてくれるだろうか…
天然だから、気づかないかも……
と、不安になったが、
「岡本 光康です。 よろしく」
俺が、名前を言った途端、
真由の顔つきが変わった。
明らかに、覚えてるな……
俺の事。
そう、思った瞬間。
真由の体が傾いた。
危ない……そう、思うよりも前に、
反射的に、真由の所へと、走っていた。
抱き起こした瞬間、
甘いシャンプーのにおいがした。
懐かしく、感じた。
近くに居た、たぶん、真由の友達であろう人に、
声をかけ、保健室まで案内してもらうことになった。
保健室までの廊下の間、
俺はずっと、真由の事を考えていた。