今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
ー光康sideー
「私が話したんだよ」
そう言って、出てきたのは、
「親父ー…」
「二週間前、お前に言われてやっと気づいた。 お前が小さい頃から、我儘を言った事がないってな。」
そして、嬉しかったんだ。
そう言って、笑う親父。
その笑顔は、普段からは想像もできないぐらい穏やかだった。
『なんで…親に人生決められなくちゃいけねーんだ!!』
「そう言われた時、思ったんだ。 なんでも、俺の言うとおりにしていたお前が、初めて俺に意思を伝えてきてくれたってな…」
『好きな女とぐらい、一緒になれねーのかよ!?』
「この言葉でわかった。 お前に愛する人がいるという事を」
『こんなの…間違ってる!!』
「そうかもしれないな。 お前の事を考えず、仕事を成功させるための婚約だったからな」
『嫌いだ…なにもかも…てめぇの事もな!!』
「俺の事そう思ってたのか…そんな気持ちでいっぱいになったよ…」