今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~


「殴りあったときも嬉しかった。 いつも、人形みたいで、俺の前じゃ笑いもしなかったお前が…」



確かに…そうだ。


俺は、親父の前じゃ笑わなかった。


笑えなかったんだ。



「あんなに真剣に、俺と向き合ってくれたことが」



「親父…」



「お前が部屋から居なくなった後、考えたよ。 俺はどうするべきなのかってね。 母さんにも相談したんだ。 そしたら、あの子の好きなようにやらせてあげなさいって、言われたよ」



「ありがとな…」



「いや、俺が勝手にやった事だよ。 中野社長にもお詫びして、やっと納得してもらったんだ。 でも、パーティーは、今さらやめられないから、やることにしたんだよ」



「中野社長…本当に申し訳ありませんでした」



「いいんだよ、光康君。 好きな人と一緒に居たいって事は、誰でも思う事なんだから」



「はい…」





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