今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
「真由ちゃん、見ーっけ」
そこには、無表情の光康がたたずんでいた。
あたしが、叩いた右の頬は、赤く腫れ、
見るのも痛々しい。
…っていうか、この男、
さっき、保健室から出て行ったんじゃないの!?
「なんで居るのって顔してる」
無表情のままの光康。
こ…怖い。
「な、なんで、いらっしゃるのですか?」
無意識のうちに、敬語になってしまうほど、
今のあたしは、混乱中。
「保健室に入った時から、真由が居るって気づいてたし」
「…な…なんで?」
「ずーーっと、ありえない、ありえないって呟いてたから」
NOOOOO!!
あたし、また……
心の中で言ってたはずなのに…
「真由…お前、こんなことしていいと思ってんの?」
「え……」
なんか…今日の光康は、いつもと違う。
なんというか…真剣。
いつもは、ふざけてるのに、どうしたんだろう…
「俺の、大事な顔、どうしてくれんの?」
「別に…」
悪いのは、あたしじゃない。
いきなり、抱きしめてきた光康が悪いんだ。
「ふーん…そういう態度とるんだ……お仕置き」
「え…」