今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
*第5章*
表と裏
ー光康sideー
「いって~…」
保健室の先生に、氷をもらって、保健室を後にする。
教室に続く長い廊下を歩いていると、後ろから、声をかけられた。
「あの……」
「はい?」
いつものように、笑みを浮かべながら、
後ろを振り返る。
そこには、見覚えのある、女の子が居た。
んと……この人は…確か…
「中野…さん?」
「はいッ!!」
俺が、名前を呼ぶと、
嬉しそうに、返事をした。
中野 理香(なかの りか)
同じクラスで、顔は可愛いと思う。
ま、真由にはかなわないけどな…
噂によると、業界でも、五本の指にはいる、中野財閥の一人娘だとか…
「どうかしましたか?」
基本、学校では、敬語。
使わないのは、真由と侑玖だけってとこかな。
「あ…お顔は、大丈夫ですか?」
あぁ…見てたんだな。
同じクラスだし。
「大丈夫ですよ?? 気にしないでください」
にこっと笑顔で言う。
「あぁ…良かった」
ホッと安堵するように、息をはいた中野さん。
用件は、それだけか…
そう思った瞬間。