今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
光康…タイミングよすぎ…
もう、本当、神!!
「あ、岡本君、おはよう。湯川君、そういうのは、岡本君に聞いて?」
にこっと笑顔で答えて、席を立つ。
……が。
あたしの右手は、湯川君の手にガッチリ掴まれていて。
ニコニコ笑顔の湯川君だけど…腕の力凄い。
ふりはらえない…。
「湯川君…ちょ」
「直輝」
「へ…??」
「俺の事、直輝って呼べよ」
一瞬、何を言われたかわからなかった。
でも、いつもの事だから、
「わかったよ、直輝」
笑顔で一言。
チッ……
その時、ふいに、舌打ちが聞こえた。
見ると、光康が凄い形相でこっちを睨んでる。
あれ、完全に裏だよッ!!
ヤバいッ……
口パクで、顔、顔っと伝えてみるが、全く効果なし。
そのまま、こっちに向かってきた。
「花本さん、用事があるので、こっち来てもらえませんか?」
ハタから見たら、いつもの王子様スマイルに見えないこともない。
だけど…目が…目が笑ってない。
「湯川君、いつまで、手を掴んでるんですか?」
その時、光康が、直輝の耳元でなんか言ったけど、
あたしには、聞こえなかった。
すると、直輝は、笑顔になり…
「そ~こなくっちゃ!!」
と、意味不明の言葉を発した。
そして、
「じゃあね、真由♪」
あたしの名前を呼び捨てにして、その場を去った。