今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
-光康sideー
「花本さん、おはようございます」
教室に、入るなり、俺は、真由に挨拶をした。
真由と話していたらしい、湯川。
本当は、話してなんか欲しくない。
「岡本君、おはよう。湯川君、そういうのは。岡本君に聞いて?」
真由の一言を聞き、顔を上げる。
そこには、真由の腕を掴む湯川がいた。
何してんだよ…アイツ…
言いようのない、イライラが俺を支配する。
真由もなんでふりはらわないんだよ…
「俺の事、直輝って呼べ」
「わかったよ、直輝」
そんな、会話が聞こえてきて、俺は、思わず舌打ちをした。
ーチッ…
その音に、反応して真由が俺を見る。
口パクで、顔、顔とか言ってるみたいだが、俺には関係ない。
俺は、二人に近づいた。
「花本さん、用事があるので来てもらえますか?」
なるべく笑顔で言いながら、湯川に近づく。
そして、耳元で、
「俺のモノに触んな、直輝」
低い声で、言うと、
「そ~来なくっちゃ!!」
笑顔でいう、直輝に、寒気がした。
アイツ、何考えてんだ?
その時、俺たちを睨みつけるように見てる、中野が目に入った。
俺は、真由に近づき、
「他の男に触られてるんじゃねぇよ」
と、耳元で囁いてから、席に戻った。