今日から、他人行儀はじめます~仮面王子×天然美少女~
教室に入ると、
「真由ちゃーんっ!!」
いつもと変わらない、理香ちゃんが近寄ってきた。
でも…この子は…
「おはよ♪」
「お…おはよ…」
ヤバい…目が泳ぐ。
すると、理香ちゃんは、あたしの耳元に口を近づけてきた。
「昨日の事…誰にも言うなよ??」
男言葉。
しかも、普段からは想像もつかない低い声。
「う…うん」
あたしが、そういうと、
理香ちゃんは、あたしから離れた…
「あれぇ~~?? 真由ちゃん、顔色悪いけど大丈夫!?」
いつもの、猫撫で声。
この、お嬢様は、なんて器用なんだろう…
「あ!! 岡本君~!」
あ……
光康無事だったんだ。
そう思った時。
「う・そ」
キャははは…と、下品に笑うお嬢様。
そして、またあたしに近寄ってきた。
「今、岡本君の事…考えたでしょ…??」
「え…」
そんな…考えるのもダメなんて…
「横取り…しないでね?? 真由ちゃん♪」
最初は低い声だったのに、
真由ちゃんの部分では、声のトーンがいつもと同じになっていた。
「う…ん」
そんな、理香ちゃんに、頷く事しかできなかったあたし。
昔と一緒で臆病者。