夏合宿ただの軽音部
ワクワク
カンパーイ! 5人の声が店中に響いた。「さてと とりあえずこれを見て」ナオが先にリサーチ済みの合宿場所を資料でまとめて人数分用意していた。 「相変わらずさすがだね」あまり人を誉めないクールなトシが酒にほろ酔いながら言った。 「毎年 山方面ばかりだからたまには海がいい」「やっぱり山でしょ」と 海だ山だとまるで子供の言い争いとなっていた。「よし 新入部員のヒロに決めて貰おう」とカズが言い争いに割って入った。「みんな文句なしだぞ いいな」と皆がうなずきながらヒロの答えに耳を傾けた。 …「海がいいな」 …!カンパーイ! 「別に何処でもいいのよ.ただこうして音楽しながら ただこうして笑っていたいだけなのよ.そしてそれに一生懸命なんだなあ だからアタシもマネージャーを続けていけるのかな」とガヤガヤとやかましいメンバーの中で紛れる様にビール片手にナオがヒロにつぶやいた。 ほんの少しヒロの心に忘れていた音楽のツボミが開こうとしている.まだヒロ自身も気がついていなかった。