選ばれる彼女
香織は意外と成績の悪い子でした。




優太もそんなに成績が良い方ではありませんでしたが、香織よりはよくできました。




名目上は一緒に勉強する予定でした。




しかし、だんだん、優太が香織に勉強を教えることが多くなりました。




優太は自分が香織に勉強を教えている、という感覚はありませんでした。




なんとなく一緒に勉強をしていると、優太の方が先にいってしまうのです。




優太が理解したところを香織がまだ悩んでいるものですから、自然に、ここはこういうことだよ、みたいな感じで、優太が教えることになってしまうのです。
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