F"ur Elise
第3章

優しさ

全て話しが終わると葛西先生は泣いていた。

そして

「辛かったな」

って私の頭を撫でた。

「俺は悔しいよ。同じ教師として生徒助けてやらなかったなんて…」

先生がそう思ってくれるだけで、私は教師をもう一度信じようかと思う。

「先生、ありがとう…」

そう言うと、

「悠紀には、頑張って貰おうな」

とにっこり笑った。

「はいっ」

「すずな、頑張って乗り越えような」

また優しく笑い、ポンッと私の頭を撫でる。

「はいっ」

泣き腫らした目で笑顔を作り笑った。
< 35 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop