F"ur Elise
すこしだけ…ドキッてしたのは、きっときのせい。

「…いません。」

「そうかぁ…。この曲はさヴェートーヴェンが貴族のエリーゼに恋をするんだ…」

先生の話は全て右から左へと流れる。

「つまり、すずなには明るい部分の愛しさを感じられないんだ。リズムや速さは完璧なんだけどな…」

先生の言いたいことは分かっている。

私には"表現力"が足りないということ。

恋してるわけじゃないしわからない。

わからないよ…。


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