F"ur Elise
それ以来、湯川先生にどんなメールを送っても返事は来なかった。


「すずな?」

「…わぁっ」

個人レッスン中も私は湯川先生が気になって仕方なかった。

「浮かない顔してどうした?何かあったか?」

葛西先生は心配そうに私を見る。

「先生…」

「ん?」

「湯川先生と何かありましたか?」

正直こんなこと言うのはどうかと思った。

だけど…

私は信じたかったから。

先生を信じたかったから。

「湯川先生?」

「はい…。最近、湯川先生と連絡とってますか…?」

「あぁ…」

先生は何かを察したのだろう。

私に湯川先生の話をしてくれた。
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