F"ur Elise
第4章

友達

私には一人だけ…

友達がいる。

名前は岸部ほのか。

天然なのか純粋なのか馬鹿なのか…

彼女は面白い。

「やまちゃん!お久ぁ〜♪」

彼女は私を"やまちゃん"と呼ぶ。

「ほのかが電話してくるなんて珍しいね。何かあった?」

いつ聞いても変わらない、高くて可愛らしい声。

「ほのかねぇ、やまちゃんの寮遊びに行くからぁ〜!」

「えっ…いつ?」

「今週の土曜日〜♪」

「あ、その日は葛西先生にコンクールの曲を聴いてもらう約束が…」

「葛西先生ってだあれ?」

「今、私が好きな先生」

私はフッと笑って答えた。

「ほのかも会いたい!!葛西先生会いたあい!!」
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