F"ur Elise

一生分の幸せ

時の流れは早い。
気づけば2011年もあと一ヶ月ほど。

私は電車の窓から外を見る。
前の席の葛西先生から甘い香りがする。

あと、どのくらいで目的地に着くのだろうか…??

明日は発表会。

｢…な?すずな?もうすぐで着くよ。｣

隣の席の結衣が私を起こした。

｢ん、ごめん。ありがとう｣

私はホテルに着くとすぐに部屋へ向かい荷物を置くとベットに座る。

｢はぁ…｣

｢どうしたの?ため息なんかついて｣

私の隣のベットへ荷物を置き結衣が話かけてきた。

｢なんか、来て早々疲れちゃった｣

｢あら、私買い物行ってくるね。出かける時は鍵、フロントね｣

｢うん、いってらっしゃい｣

パタンと鳴るのと同時にテレビをつけた。

｢かなり…暇｣

しばらくベットにねっころがると私はテレビを消し、ロビーへ行く。

｢あ、すずな｣

この声すぐ分かる。
私の好きな人。