F"ur Elise
振り替えるとやっぱり…
「葛西先生っ」
「出かけないの?」
いつもの柔らかい笑顔。
「出かける場所もないし…人も…」
あははっと苦笑いすると
「そっか」
と言ってくれた。
「そうそう、試験受かったよ。」
え…
いま、なんて…?
「すずなのおかげだよ。ありがとう。」
こんな嬉しい報告なんて、ある…?
「先生が頑張ったからです。私は何もしてないですもん、」
「そうかな?俺はすずなが背中押してくれたと思ってるよ」
優しい瞳で私を見つめる。