F"ur Elise
どんどん月日は流れる。

気がつけば、テスト一週間前。

未だに先生にはエリーゼの表現ができていないと注意される。

その度にカンパネラへ助けを求めそうになる。

だけど、私はエリーゼを選んだ。

今まで以上にヴェートーヴェンの気持ちになって…

〜♪〜♪

結果はやはり思ったとおりだった。

「今までより、気持ち入っていてよかったよ。"恋してみなよ"とは言えないけどさ、もっと違った表現の仕方を経験してみるといいよ」

先生の言葉は温かかった。

「ありがとうございました」

私は一礼すると、部屋出て寮へ帰った。
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