桜花~君が為に~
「ゴホッ ゴホッ」
「お、沖田さん!?」

持っていた湯飲みを横に置いて
彼の傍へと駆け寄る。

そっと、彼の背中を撫でた。

「待っててください、すぐ誰か呼んできます」

身体をひねって廊下をかけだそうとした私の手を
沖田さんは掴んで止めた。

「大丈夫、たいしたことないよ」
「でも・・・・っ」

反論する私に
彼はただの風邪だと言って笑っていた。

「大体、何で君が僕のことでそんなに焦ってるの?
君は僕を殺したいんだろ?だったら弱ったほうが嬉しいだろう?」
「それ・・・は・・・・」

言葉を詰まらせた。
どうしてなのかはわからない。

ただ勝手に体が動いて

何も言葉を返さずにただ黙る私の頭を
沖田さんは優しく撫でた。
その手が妙に暖かくて、とても心地よかった。
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