桜花~君が為に~
そう言って袖を捲り上げる
それから藤堂の持っていた布団を半分取り
柵に干し始めた
「ほら!平助も早く」
「お、おぉ」
慣れた手つきで布団を干す悠輝
そして慣れない手つきで布団を干すのに苦戦する藤堂
時たま彼女の怒鳴り声や
指示の声が飛ぶ中
新撰組初の全員による大掃除が行われた
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「みなさ~ん、ご飯ですよ~!!」
両手に大量の握り飯の入った入れ物を抱え
悠輝は掃除中の隊士たちに向かって叫んだ
「おっ、ありがとな悠輝」
「おっしゃ食うぞお前ら!!」
「いや、左之さん新八っぁん!!!
他の人のこと考えて食えよ!!!」
がっつく二人に藤堂が叫ぶ
これじゃあどっちが年上なのかわからない
そんな三人と共にご飯と聞いてやってきた
目を輝かせた隊士たちを苦く笑いながら悠輝は見ていた
「それじゃあ、近藤さん。
俺は沖田さんの様子を見てきますね」
「おぉ!頼むぞ」
隊士たちに混じって握り飯をほおばる近藤に
それだけ伝えてから悠輝は
駆け足でその場を後にした