桜花~君が為に~
食べろと念を押したのは
今朝同じように朝餉を持っていったのに
沖田は一口も口にしなかったからだ
「食欲無いんだけど」
「無理にでも食べてください
じゃ内と、貴方の体がもちま…」
言い返している途中で言葉が止まる
悠輝は両手で顔を覆い背を向けた
涙が溢れて止まらなかった
そんな悠輝を沖田は無言で見つめる
やがて粥の入った碗を盆の上に置き
小刻みに震える悠輝の背を抱きしめた
「ごめん
また君に重いものを背負わせちゃって…」
抱きしめられる腕に力がこもる
彼のそんな言葉にまた涙が溢れそうになる
それを必死の思いで止めてぎゅっと自分を抱きしめる彼の腕を握り締めた
「背負わされたなんで思ってません」
震える唇で言葉を紡ぐ
緩められた彼の腕から抜け出し
向き合った