桜花~君が為に~
「平助っ!!斎藤さんっ!!!」
境内にたたずむ二人を見つけ
名を叫びながら駆けていく
振り返った二人
「行っちゃうんですか?」
わずかな希望をこめ
悠輝は二人に問いかける
もしかしたら伊東派に着くなんて本心じゃないかもしれないから…
斎藤はいつもの無表情で
藤堂は少し気まずそうな顔をしていた
静かに斎藤が頷く
そんな彼の行動に悠輝は絶望にも似た感情を覚えた
「ねぇ平助…うそ、だよね?」
藤堂の肩を掴み揺らす
彼は俯いたままされるがままになっていた
なんの反抗もしてこない
ただ黙っているだけ
「落ち着け悠輝」
「んでだよ平助!!!何で出てくんだよ!!!」
斎藤の手によって
藤堂から引き剥がされるが
悠輝は殴りかかりそうな勢いで
いまだに俯く彼に向かって叫んだ
何とかして斎藤の手の内から抜けようとするが
男と女の力の差があり
逃れることができない
「平助。先に行っていろ」
「…ごめん」
小さく呟くような声でそういって
そのまま悠輝に背を向けて
藤堂は歩き出してしまう
「行くな!!!平助っ俺を見ろ!!!」
叫んでも
彼が振り返ることはなかった
「平助ぇぇぇぇぇぇぇぇ」
涙がにじむ
声がかれるほどに彼の名を叫んだ
境内にたたずむ二人を見つけ
名を叫びながら駆けていく
振り返った二人
「行っちゃうんですか?」
わずかな希望をこめ
悠輝は二人に問いかける
もしかしたら伊東派に着くなんて本心じゃないかもしれないから…
斎藤はいつもの無表情で
藤堂は少し気まずそうな顔をしていた
静かに斎藤が頷く
そんな彼の行動に悠輝は絶望にも似た感情を覚えた
「ねぇ平助…うそ、だよね?」
藤堂の肩を掴み揺らす
彼は俯いたままされるがままになっていた
なんの反抗もしてこない
ただ黙っているだけ
「落ち着け悠輝」
「んでだよ平助!!!何で出てくんだよ!!!」
斎藤の手によって
藤堂から引き剥がされるが
悠輝は殴りかかりそうな勢いで
いまだに俯く彼に向かって叫んだ
何とかして斎藤の手の内から抜けようとするが
男と女の力の差があり
逃れることができない
「平助。先に行っていろ」
「…ごめん」
小さく呟くような声でそういって
そのまま悠輝に背を向けて
藤堂は歩き出してしまう
「行くな!!!平助っ俺を見ろ!!!」
叫んでも
彼が振り返ることはなかった
「平助ぇぇぇぇぇぇぇぇ」
涙がにじむ
声がかれるほどに彼の名を叫んだ