桜花~君が為に~


沖田と別れてすぐに自室へと向かった悠輝は
飛び込むようにして部屋に倒れこんだ

「平助…」

結局
平助は最期まで自分を見てくれることはなかった
どうしてこうなってしまったのか
今でもわからない


私達は同じ夢を見ていたんじゃなかったの?
友達なんじゃなかったの?
土方さんと近藤さんに
ずっとついていくって言ってたあの言葉は嘘だったの?




そんな答えのない問いが頭の中を支配する


いつだって私達は同じ物を見ているんだと思ってたのに
どうして
離れてしまったのだろう…

「斎藤さん…帰ってくるって本当ですか?」

触れた温度
藤堂とは正反対の
まっすぐと見る瞳

強い意思を感じられた
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