桜花~君が為に~
だから、
今は帰ってくると信じよう
きっと二人で笑って
戻ってきてくれるに決まっている
「よし!!そうと決まれば仕事しなきゃ」
勢いよく体を起こし
ばしっと自身の頬を叩いた
大丈夫
また、逢える
だから今は
そんな日が来るのを信じて
自分のできるコトをするだけ
一度笑顔を作ってから
悠輝は自室を後にした
同時刻
土方は集まっていた全員をさがらせ
一人広間に腰を下ろしていた
「山崎君
乞食になって、斎藤からの報告を
受け取ってくれ」
眉間に皺を寄せ
腕を組みながら
誰もいない空間へと話しかける
すると
「御意」
何処からか
声が聞こえてきた
声の主の姿は見えない