桜花~君が為に~

数が勝る新撰組は優位にたった
そんな中
新撰組と対峙する藤堂の姿が
そこにはあった

「平助!!!」

彼の姿を見つけた悠輝は
すぐに傍まで駆け寄る
その隣には
永倉・原田の姿もあった

「近藤さんからの言伝だ
逃げろ、平助」
「近藤さんが?」

予想もしなかったのだろう
藤堂は原田の言葉に
驚いた表情を見せた

「平助。お願い逃げて!!」
「逃げろ平助」
「頼む、平助、生きてくれ」

三人が各々に言葉を発する
そんな彼らの言葉に
藤堂の目からは涙がこぼれた

構えていた刀を下ろし
ゆっくりと三人の下へと歩き出す
その時




「駄目だよ。悠姫…裏切り者は
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