桜花～君が為に～

夜になった。
私達は池田屋へ赴き
近藤さんの「御用改めである!!!」という声と同時に池田屋に突入した。


「・・・・ッ」


私も刀を抜き
次々と浪士たちを切り捨てていった。

彼らは最初、急な事態に動転し、二階から飛び降りたり、別の部屋へと走っていったが
新撰組の人数が思いのほか少人数であることを知って必死の抵抗にでてきた。

「はぁはぁ」

もう残り少ない浪士
部屋に充満する血の匂いに少し気持ちが悪くなった。

荒くなった息
頬についた返り血を乱暴に拭って前にいる敵に刃を向けた。

「悠輝っ!!!!!!!」

部屋に響いた沖田さんの声
前にいた敵を斬り後ろを振り返ると、真っ赤な鮮血が散っていた。




気づけなかった



後ろから向けられた刃
そんな敵の攻撃から
沖田さんは私をかばって傷を負った。

傍に倒れた沖田さんを横目で見て
私は沖田さんを斬った浪士を斬り殺し
すぐに沖田さんのもとへと駆け寄った。

「・・・怪我は、ない?」
「な・・・んで」

荒い息で問いかけてきた沖田さん