桜花~君が為に~

「あぁ、もう時間か
それじゃあね、悠姫…また、迎えに来るよ」
「まてっ」
「やめてください!!!」

追おうとした二人を
悠輝は制する
泣きそうな目で二人を見て
静かに首を横に振った
そして、平助の冷たくなった体を地面におく

彼が御陵衛士だったいじょう
その死体を屯所へと持ち帰ることはできない

「帰りましょう
皆…待っています」

唇をかみ締め
流れそうになる涙を止める
そして、平助に背を向けて屯所へと歩き出した
そんな彼女のあとを
二人も涙を堪えながら歩いていった
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