桜花~君が為に~
それに、言えてないことだってまだあるのに

「好きだ。愛してる

あぁ…少し眠たい…な」

ゆっくりと、彼の目が閉じられ



とさ…

悠輝の手をすり抜け
総司の手が布団へと力なく落ちる

「総司さん?」

総司は幸せそうな表情で瞳を閉ざしていた

「…」
「寝ちゃったんですか?
ねぇ、総司さん?」

いつもみたいに笑って
冗談だって、驚いた?って言って下さいよ

何度も何度も名を呼び
彼の体を揺らすが総司は目を覚まさなかった

「もう。私にだって、言わせてくれたって…
いいじゃ。ない…ですか」

涙を流しながら、悠輝は笑った
彼の手を取り、自分の頬へと当てる
まだ暖かい、彼の温もりを覚えるように…
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