桜花~君が為に~
顔に出ていたのか
心の中でしていた問いの答えを烈は首を横に振って否定した
「沖田はね、僕に一通の手紙を預けにきたんだ
自分はもう長く生きられない
だから、もし自分が死んで、悠姫を独りにしてしまったら
迎えに来てほしい。って言ってね」
そう言って烈は懐から
一通の手紙を差し出した
それを受け取り
ゆっくりと開ける
そこには
懐かしい彼の字でこう綴られていた
拝啓 藤村悠姫様
君がこの手紙を手にするとき
僕はもうこの世界にはいないでしょう
独りにしてしまってごめんね
君はいつだって僕を独りにしなかったのに
僕は結局君を独りにしてしまう
許してとは言わない
けど、もしまたこの世界のどこかで出会えるのなら
今度は絶対君を独りにはしない
有難う悠姫
ずっと傍にいてくれて
愛してるよ
沖田総司