桜花~君が為に~
悠輝の父は、攘夷志士と新撰組の戦いの中
逃げ遅れて戦いに巻き込まれ
そんな中、沖田総司に殺された。
全てを物陰から見ていた悠輝は、彼を憎んだ。
母をはやくに亡くし、父と二人で生きていた悠輝にとって父は全てだった。
それは父にとっても同じで、だからこそ彼は悠輝だけを逃がした。

「お茶お持ちいたしました」
「ありがと~」

部屋の端に座って空を見上げる沖田の傍に入れてきたばかりのお茶を置き
「失礼しました」と一言だけ残して部屋を後にした。

自室へ戻り
悠輝は自分の刀の手入れを始める。

ここ最近大きな事件はない
それに、今日は沖田が巡察の日ではない。

「殺るには、今日しかない」

待ってて、父さん
父さんの敵は、私がとって見せるから。

父の形見である小太刀を握り締め
悠輝は胸に誓った。
必ず、仇を討って見せると



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