桜花~君が為に~
涙を拭って寝ている沖田さんのもとへ行く。
沖田さんは先刻まで苦しんでいたとは思えないほど
彼の表情は明るかった。
お粥を傍において
沖田さんが上半身を起こそうとするのを手伝う。
粥をお碗に入れて彼に手渡す。
それから、
彼が少しでも無理をしないようにと体を支えた。
「ん、おいしい」
粥を一口食べた沖田さんは
満足そうにそう呟いた。
少し、ほっとした。
自分では上手く出来たと思っていても
彼からしたら
そうではないかもしれない
と思っていたから。
「そうですか、よかったです」
ほっと安堵の息を吐いてから
私は彼に向かって微笑んだ。
心からの、笑みだった。
「ご飯食べたら、包帯を替えますね」
「わかったよ。有難う、悠輝」
「いいえ、これが俺の務めです」
私がきっぱりとそういうと
彼は何処か納得のいかない顔を見せた。
「ねぇ、悠輝」
「はい?」
「僕と二人っきりのときぐらい女に戻ったら?
ずっと男のフリをするのは辛いだろう?」
「え…でも…」
「いいじゃん、ね?
あ、そうだ。これ、組長命令ね」
うわ、職権乱用…
こういうときだけ組長面するんだから…
まぁ、それがらしいと言えばらしいんだけどね
「わかりました」
大きく頷くと
彼は再び粥を食べ始めた。
沖田さんは先刻まで苦しんでいたとは思えないほど
彼の表情は明るかった。
お粥を傍において
沖田さんが上半身を起こそうとするのを手伝う。
粥をお碗に入れて彼に手渡す。
それから、
彼が少しでも無理をしないようにと体を支えた。
「ん、おいしい」
粥を一口食べた沖田さんは
満足そうにそう呟いた。
少し、ほっとした。
自分では上手く出来たと思っていても
彼からしたら
そうではないかもしれない
と思っていたから。
「そうですか、よかったです」
ほっと安堵の息を吐いてから
私は彼に向かって微笑んだ。
心からの、笑みだった。
「ご飯食べたら、包帯を替えますね」
「わかったよ。有難う、悠輝」
「いいえ、これが俺の務めです」
私がきっぱりとそういうと
彼は何処か納得のいかない顔を見せた。
「ねぇ、悠輝」
「はい?」
「僕と二人っきりのときぐらい女に戻ったら?
ずっと男のフリをするのは辛いだろう?」
「え…でも…」
「いいじゃん、ね?
あ、そうだ。これ、組長命令ね」
うわ、職権乱用…
こういうときだけ組長面するんだから…
まぁ、それがらしいと言えばらしいんだけどね
「わかりました」
大きく頷くと
彼は再び粥を食べ始めた。