桜花~君が為に~
「どうした?」
「…沖田さんは、笑ってます。
でも、一人になったときは…」
「そうか…」

悪かったな、こんなこと聞いてと言って
原田は悠輝の頭を軽く撫でた。
そんな彼の言葉に悠輝は俯いたまま首を横に振る。

「…じゃあ、総司によろしくな。
あと、副長が暇が出来たら部屋までこいだとよ」

そう言って原田は悠輝が来た方へと歩いていった。
どうやら沖田の様子が気になって悠輝に聞きたかっただけだったらしい。
皆、表には出さないけれど
沖田のことを心配している。
特に、普段喧嘩ばかりしている土方が

悠輝は唇をかみ締め、顔を上げた。

へこんでいる場合じゃない。
自分ができることをやらなければ

ゆっくりと一歩踏み出す。



一人で全て抱え込む人。
他人に絶対弱さを見せない人。

どうしたら、
私に全てを見せてくれますか?
どうか、一人で苦しまないで

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