桜花~君が為に~

第十一話

ここ一ヶ月
悠輝は沖田の変わりにたくさんの仕事をこなした。
隊士たちの訓練から始まり
巡察や、書類整理、任務など
ありとあらゆることを悠輝はこなしていった。

普段何事もないように
沖田はこんな仕事をこなしているのだと
感心させられた気がする。

「…駄目だな、私」

土方が出ていって、しばらくぼーっとしていたが
ようやく我に返って静かに呟いた。
つい女言葉に戻ってしまった。
夢のせいかもしれない
疲れが溜まっていたのだろうか?

今まで夢を見ても
今日のようになることはなかった

「土方さんに迷惑かけちゃ駄目だよね」

深くため息をつく
彼は悠輝の倍以上の仕事をしているのだ
なのに、自分なんかが仕事を増やしてはいけない

そんなことを考えながら、
悠輝は着替えを済ませ部屋を出た。

いつもの部屋へとかける


「遅れてすみません!!!!!」

勢いよく襖を開けて
部屋の中に入った
< 38 / 152 >

この作品をシェア

pagetop