桜花~君が為に~
「会津藩から正式な要請がでた。
長州征伐のため出陣せよとのことだ」
悠輝が腰を下ろしたのを確認して
近藤は言葉を紡いだ。
その一言で歓声が上がる。
「そりゃすげーな」
「池田屋の一件で
俺らを認めてくれたってことか」
「おっしゃ、力の見せ所だなっ!!!」
永倉、原田、藤堂が続けざまに言う
「…平助、総司…悠輝
お前らは今回の任務から外れてもらう」
「「「え?」」」
土方から告げられた
思っても見なかった言葉に名を挙げられた三人は
間抜けな声を漏らした。
「ちょっと、過保護すぎますよ、土方さん
僕は大丈夫です。」
「そうだよ!!俺だって大丈夫だって!!!」
「うるせぇ、怪我人は黙って寝てろ」
不満を言った二人に
土方は、低い声で言い放った。
沖田、藤堂が任務から外れるのは
この前怪我をしたからだろう
しかし、悠輝は…
「なんで、悠輝まではずすんですか?」
誰もが気になったことを
沖田が口にした。
「…最近の様子から判断した」
「…っ」
悠輝を見ながら言い放たれた言葉
悠輝の肩が跳ねた。
「最近の様子?」
まだ不満そうな顔をした藤堂が
土方へと問いかける。