桜花~君が為に~
「で。僕に話ってのはなんですか?」

先刻と同じように
土方と沖田が向かいあって広間に座っている。

「悠輝のこと、どう思う?」
「どう思うも何も完全に思い出しちゃってますよね
あの様子だと」

いつものように笑って言うが
その沖田の言葉はいつにもまして真面目な物だった。

先ほどの彼女の様子で
それはほとんど確定できた。
きっと夢が原因で思い出したんだろう。
それでも彼女が彼らを殺そうとしなかったのは
迷っていたからだろうと
そう、信じていたい。


「…悠輝のこと殺しませんよね?」
「場合によっちゃ、殺すかもな」

殺すと言う土方から発せられた言葉に
沖田は珍しく声を荒げて叫んだ。

「あんたはいつもそうだ!!!!
新撰組のことしか考えてない!!!!!
悠輝は、仲間じゃないんですかっ!!!!!!!!」
「………」

そんな沖田の訴えを
土方は目を閉じて反論することなく聞いていた。
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