桜花~君が為に~
鬼の副長として新撰組を護るために
本当の鬼にならなければと
それが、近藤にしてあげられる全てだと彼は信じていたから。
いや、信じていたかったから
「話になりません!!
失礼します!!!!」
「…総司」
立ち上がって出て行こうとする沖田の名を呼ぶ
沖田はその言葉に答えず
その場に立ち止まる。
「…死ぬなよ。悠輝はあれでもあっちの幹部の人間だ
記憶が戻ってんなら、おそらくは……」
「悠輝は、そんなことしません
僕は、そう信じています」
土方と目を合わせることなく
沖田は吐き捨てるようにそういって
部屋を後にした。
一人になった部屋
土方は大きくため息をついた。
「……俺だって、殺したくねぇよ」
其処に居たのは
鬼の副長でも新撰組の土方でもない
紛れもない土方歳三自身だった。
本当の鬼にならなければと
それが、近藤にしてあげられる全てだと彼は信じていたから。
いや、信じていたかったから
「話になりません!!
失礼します!!!!」
「…総司」
立ち上がって出て行こうとする沖田の名を呼ぶ
沖田はその言葉に答えず
その場に立ち止まる。
「…死ぬなよ。悠輝はあれでもあっちの幹部の人間だ
記憶が戻ってんなら、おそらくは……」
「悠輝は、そんなことしません
僕は、そう信じています」
土方と目を合わせることなく
沖田は吐き捨てるようにそういって
部屋を後にした。
一人になった部屋
土方は大きくため息をついた。
「……俺だって、殺したくねぇよ」
其処に居たのは
鬼の副長でも新撰組の土方でもない
紛れもない土方歳三自身だった。