桜花~君が為に~
そんな彼の様子に
悠輝は微笑んで空を見上げ話を続けた。
「優しくて、可愛くて、弟みたいな存在で
でも、いざと言う時には頼りになって……
私の、大好きな人でした」
あくまで過去形で悠輝はそういった。
月を見上げる瞳が涙で潤む。
それでも、その涙が零れ落ちることはなかった
「なんて、言ってみたかったんですよね」
見上げていた視線を沖田へ移し
悠輝は微笑んだ。
何処か、悲しそうなその笑み
「…悠輝…」
沖田も悠輝へと視線を移し
小さく彼女の名を呼んだ。
「大丈夫、もういいんです。ちゃんと、わかってるんです
烈はもういない、だから…」
平然を装う悠輝だが
発せられる声は、次第に涙声になって言った。
「私は、決めたんです。
ここで…新撰組で、貴方と共に生きると…」
「もう、良いよ。黙って」
さらに続けようとした悠輝の体を
沖田が包み込んだ。
震える彼女の体を抱きしめそっと背中を撫でる。
抵抗はしなかった
彼の手の内が暖かすぎて癖になってしまったのかもしれない
甘えちゃいけないのに…
「駄目ですね。私…
もう、泣かないって決めたのに」
「いいんだよ。泣いても」
「――――…っ」
その言葉に悠輝の瞳からは涙がこぼれだし
沖田の胸をぬらした。
悠輝は微笑んで空を見上げ話を続けた。
「優しくて、可愛くて、弟みたいな存在で
でも、いざと言う時には頼りになって……
私の、大好きな人でした」
あくまで過去形で悠輝はそういった。
月を見上げる瞳が涙で潤む。
それでも、その涙が零れ落ちることはなかった
「なんて、言ってみたかったんですよね」
見上げていた視線を沖田へ移し
悠輝は微笑んだ。
何処か、悲しそうなその笑み
「…悠輝…」
沖田も悠輝へと視線を移し
小さく彼女の名を呼んだ。
「大丈夫、もういいんです。ちゃんと、わかってるんです
烈はもういない、だから…」
平然を装う悠輝だが
発せられる声は、次第に涙声になって言った。
「私は、決めたんです。
ここで…新撰組で、貴方と共に生きると…」
「もう、良いよ。黙って」
さらに続けようとした悠輝の体を
沖田が包み込んだ。
震える彼女の体を抱きしめそっと背中を撫でる。
抵抗はしなかった
彼の手の内が暖かすぎて癖になってしまったのかもしれない
甘えちゃいけないのに…
「駄目ですね。私…
もう、泣かないって決めたのに」
「いいんだよ。泣いても」
「――――…っ」
その言葉に悠輝の瞳からは涙がこぼれだし
沖田の胸をぬらした。