桜花~君が為に~
京の街中に
数名の子供と沖田
そして、男装をした悠輝の姿がそこにあった
元気な子供の声が響く
「そーじ!!次は鬼ごっこしようぜ!!!」
「うん、いいよ」
「ちょっと、沖田さんあんまり走ったりしたら…」
「はい、悠輝が鬼っと皆逃げろ~っ」
いつものように笑って
沖田は子供と共に駆け出した。
さっきから、何回もこの繰り返しだ。
走るのをやめろといっても聞く耳持たずで
子供と一緒に遊んでいる
子供と共に走り去る彼を見て
悠輝は大きなため息をついた
「…どうしよう。俺が土方さんに怒られる…」
いや、怒られる以前に
殺される気がする
自分の命は沖田に無理をさせないことなのに
「鬼さんこっちら
手のなるほうへ!」
「あぁもうっ!!!待てくださいっ!!」
少し先で笑いながら手を打つ
彼の姿に悠輝のいらいらは頂点に達し
そう叫んで彼の後を追った。