桜花~君が為に~
沖田は団子を口にする。
悠輝はといえば
困った様子で手に持った団子と沖田を交互に見つめ
その後…

「では、お言葉に甘えさせていただきます」

と言って
団子を一くち口にした
甘い味が口いっぱいに広がる

「おいしい…」
「でしょ~
ほら!もっと食べて!!」

ぽそりと呟いた悠輝の言葉に
沖田は嬉しそうに答え さらに団子を勧める

「俺、こんな美味い団子食べるの初めてです」

満面の笑みでそう言って
必死に団子を食べる彼女の姿を
沖田は愛しそうに見つめていた


1864年 11月
それは嵐の前の穏やかな日々だった。
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