桜花~君が為に~
「俺が、行かなくちゃ駄目なんです」
彼と約束したから
生きると
守ると
亡くしてしまわないと
消えてしまわないと
「―――…わぁった。ただし、一人では行かせねぇ。総司!!」
「わかりました、僕が行けばいいんでしょう?」
目を開けて沖田はゆっくりと立ち上がった
肩に羽織っていた羽織を悠輝へとかけて微笑む
「俺らが大勢で探してもただ目立つだけだ
ここはてめぇらに任せる」
「はい!!」
悠輝は大きく頷き
先に歩き始めた沖田の後を追って
屯所を後にした
月光の中
二つの影が走り出した