桜花~君が為に~
「其処まで、馬鹿じゃありません。
機会を計っているだけですよ」

淡々と答え彼と少しはなれたところに腰を下ろす。
自分で持っていたお茶を口にした。

「あれ?僕のお茶は?」
「ありません」

冷たく言い放って
私は見せ付けるようにお茶を飲んだ。

一息ついて彼と同じように庭を見つめる。
綺麗に手入れされた庭。

といっても手入れをしているのは私だけど。

横から視線を感じ
そちらへと視線を向けると
沖田さんが私を見て微笑んでいた。

「な、何見てるんですか?」
「んー。かわいいなって思って」

ぶーーーっ
あまりの言葉に私は飲んでいたお茶を勢いよく噴出した。

「な、な、な、」
「ほーら、可愛い」
「可愛いとか言わないでください!!!
俺は男です!!!!」
「あーそうだったね。
忘れてた、忘れ―――――っ」

途中で言葉がきれたかと思うと
彼は身体を二つに折って激しく咳き込みだした。

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