桜花~君が為に~
しかし
そんな痛みの中
最期まで山南は悠輝の身を案じていた
兄のように父のようにずっと彼女を見守っていたから…
「悠輝…」
とめどなく泣き続ける悠輝を
皆悲しそうな目で見つめていた。
彼らにとっても山南は大切な仲間で
新撰組ができる前から共にいた兄のような存在
悠輝のように表に出して泣いてはいないものの
彼らは皆心の中では泣いているのだろう
――なぁ、山南さん
あんた幸せモンだよ
こんなにもあんたの為に泣いてくれるやつらがいんだからよ
俯く彼らを見て
土方はそう心の中で山南へと言葉を紡いだ