遠い君と、もう一度恋を。



放課後、担任に呼ばれた俺は逢莉とは帰らなかった。



どっちみち帰れなかったと思うけど…



「いやー、突然すぎてビックリだよ…」



先生は少し寂しそうな顔をした。



改めて、本気にいい先生だと思う。



「家の都合じゃ…しょうがないよな…」



「そ…ですね…」



俺は俯いて答える。



「寂しくなったら、いつでも帰ってこいよ!!」



…下を向いてても先生が笑顔なのがわかる。



「…はい。」



力なく答えた俺。



そんな俺に先生は「がんばれよっ!!」と『あの時』と同じ笑顔で言ってくれた…――




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