遠い君と、もう一度恋を。
出発当日、引っ越し準備などで忙しかった俺はあの日以来、会ってなかった逢莉を空港でギリギリまで待っていた。
時計を見てもう限界だなと思った俺は搭乗口へ歩みを進める。
すると…――
足音が後ろから聞こえてもしかして…と少し期待して振り返ると、そこには逢莉の姿が…
「逢莉…」
俺はそう呟いて逢莉と向かい合う。
「よかった…まだ、いて…」
走ってきたらしい逢莉は少し息切れしている。
「紫音…紫音に話があるの…」
話…なんか俺の聞きたくない話かも…
だって…俺が引っ越すことになったことを逢莉に言おとした日、俺の様子がおかしいのを逢莉が見破ったように…俺も逢莉のことよくわかるようになったから…――