遠い君と、もう一度恋を。
「あのね…あたし、紫音が大好き。…だけど、何日も会えないなんて、耐えられない…だから…」
「だから?」
重苦しい沈黙…
この後に言われる言葉はわかってる…
「だから…あたしと…別れ、て…」
ほら、俺の予想通りだ…
別れたくなんかない…
でも、それで少しでも逢莉が苦しくなくなるなら俺は…――
君の手を離すよ…
「…わかった。大好きだったよ、逢莉…」
そして俺はその場を立ち去った。
…袖でそっと涙を拭う君に気付かないふりをして…――