遠い君と、もう一度恋を。
俺が人気(ひとけ)のない生徒玄関で靴を履いていると、「コツ…コツ…」と1つの足音が近付いて来た。
先生だと思って顔を上げながら挨拶をした。
「さよな…ら?」
俺の言葉の最後が疑問系になった訳は…そこに立っていたのは先生じゃなくて…――
逢莉ちゃんだったから…――
俺に軽く会釈して帰ろうとする逢莉ちゃんを思わず呼び止めた。
「ちょっと待って!!」
「はい?」
そう言いながら首をかしげる逢莉ちゃん。
可愛い…
じゃなくって!!
呼び止めたからには俺の気持ち…言わないと…!!