星の夢
2
夜の学校の静けさの中、ガタガタと動く扉の音が響きすぎ、いやに耳に残る。朝倉を一人教室に残して佐藤は廊下に出た。どの窓を覗き見ても星は地に落ち毒々しい光を放っている。階段を目指し佐藤は廊下を進んだ。
「佐藤、何してんだよ」
能天気な声、いつも教室の中心にいるそいつの姿が目に浮かぶ。
「星を見ようと思って」
星……。そうつぶやいたのが聞こえた。自分でもおかしいとは思っている。
「そっちは屋上だぞ。星見るんだったら視聴覚室行かねえと……」
こっちだと案内するように腕を引かれた。
「放せっ」
反射的に腕をつかむ手を振り払い、勢い余ったそいつの体が、小気味良い音を立てて廊下に沈む。
「……ごめん」
口をついて出た言葉に「俺も強引だった」とほこりを払いながら立ち上がる。
「視聴覚じゃないんだな」
佐藤は静かにうなずいた。
今はもう星の見えない、ただ灰色ばかりが広がっている、そんな屋上へ……
「俺もついてって良いか。その……星を見に」
佐藤は何も言わない。そいつがついてくるのがわかっていた。二人は屋上へ続く階段を進み始めた。
「佐藤、何してんだよ」
能天気な声、いつも教室の中心にいるそいつの姿が目に浮かぶ。
「星を見ようと思って」
星……。そうつぶやいたのが聞こえた。自分でもおかしいとは思っている。
「そっちは屋上だぞ。星見るんだったら視聴覚室行かねえと……」
こっちだと案内するように腕を引かれた。
「放せっ」
反射的に腕をつかむ手を振り払い、勢い余ったそいつの体が、小気味良い音を立てて廊下に沈む。
「……ごめん」
口をついて出た言葉に「俺も強引だった」とほこりを払いながら立ち上がる。
「視聴覚じゃないんだな」
佐藤は静かにうなずいた。
今はもう星の見えない、ただ灰色ばかりが広がっている、そんな屋上へ……
「俺もついてって良いか。その……星を見に」
佐藤は何も言わない。そいつがついてくるのがわかっていた。二人は屋上へ続く階段を進み始めた。