星の夢

パシャリ


 何故かフラッシュの後シャッター音が響く。下の方を自転車がカタカタいいながら通った。


「朝倉、こんな時間に何してんだ」


 窓辺に立っていた少女が声の主の方を向くことなく応える。「ふーん」という声が奥の方から聞こえ、少女は二度こちらを見上げて口の前で人差し指を一本立てて見せた。「あ……」朝倉と言いかけてやめる。露骨に朝倉が眉をしかめたから。

「いつまでそこに居るの」

 繰り返される会話の終了と共に奥の人物が出ていく。

「お帰りなさい」

 朝倉が目を細めながら言った。佐藤は普通に「ただいま」と言っていた。

「朝倉……」

 怪訝そうな中山の言葉に、得意そうに笑いながら朝倉は両手を二人に差し出した。

「ねえ、私も連れて行って」

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