空耳此方-ソラミミコナタ-
「あ、ああ…そうなんだ…サークルか何かなのかい」
【はい。ここは果物の生産が盛んだそうで】
いやいや待って待って!
二人の必死の念も聞こえず笑顔で世間話をしている。
平然とないこと固める言乃の前に、恵が割って入った。
「とととにかく、それが終われば私たち帰りますので、ここの大まかな地形を教えてもらえますか?」
すると男性はきょとんとして聞き返す。
「君たち、日帰りなの?」
「え?はい」
思わぬ問いかけに三人も怪訝な表情で返す。