空耳此方-ソラミミコナタ-

おじいちゃん


荷物を置いた三人はまたロビーに降りてきた。

すると羽田が三人のもとへ何かを持って来た。

「はいこれ。この島のおおざっぱな地図だいたいの農家の直売は書いてあると思うよ」

「ありがとうございます――ん?」


恵が受け取り、それに目を通すと、眉をひそめた。



【素晴らしい字体ですね】



敢えて携帯を羽田から見えないようにかざした。


確かに…

白地図に色がつき、地図自体はとても見やすい。

だが、そこにはお世辞にも読みやすいとは言いがたいのたくった文字が並んでいる。

しかしかなり細かいことまで書き込まれていて、明朝体にすればさぞいい地図になるだろうが

今この場では無理難題。

< 108 / 374 >

この作品をシェア

pagetop