空耳此方-ソラミミコナタ-
頑張って文字を解読しながら読み進むと、地図の中に2ヶ所、
「危険」の二文字。
赤く囲まれ、ひどく目立つように自らを主張する文字が三人の目に止まった。
【これは―?】
動きが止まった三人に気付いた羽田が声をかけた。
「海岸線にあるのが岩場さ。小さな洞窟が散在していて、大体が満潮時に水没しちまう。
もう一つ、島の中腹にあるのが、最近断層で出来た谷だ。
そこには近付かない方がいい。小さいが随分広い地割れだからね。落ちたらまず出られない」
「そんなに…」
三人が若干青ざめたのをみて、羽田はカラカラと笑って言った。